その弐 財布も季節も寒くなったので
2015年、秋。
財布の中身も季節も寒くなってきており
当クズはフィリピンへの逃亡計画を着々と進めていた。
関西からマニラまでおおよそ4時間。
価格もエコノミークラスであれば4万円でおつりがくる。
おおよそ一週間ではあるが、クズはこの地に逃亡することを決めた。
物価も安いし南国だし何とかなるか!
と、用意したのはショルダーバッグとサンダルのみ。
完全に海外をなめている。
ただ、金さえ持っておけばTシャツも安いだろうし
メシも食える!はず。
昔から重い荷物を持って旅行するのが嫌いな私は、本当に身一つで旅立った。
4時間の機内旅を経てマニラに降り立つ。
自由の国、いや。いい加減な国?フィリピン、マニラ。
まるでドラクエで新しい大陸に降り立った時のように心躍るクズだが
それよりもまず腹が減った。
腹が減っては突貫工事(?)は出来ぬ、という事で飯屋を探す。
よく分からないし、目的地があるわけでもないのでグーグルマップもあまり役に立たず。
とりあえず何でもいいかと、フラフラ歩いて見つけたのがコレ
全世界ファーストフード店でトップシェアのはずのマクドナルドが
唯一フィリピンにおいてはナンバー1を獲れなかった理由。
ジョリビーがあるから。らしい。
一体どんなものかと興味はあったので早速オーダーしてみる事に。
…。
フライドチキンに目玉焼きとライスが付いている。
76ペソ。(160円くらい)
まぁ安いは安い。見栄えは良くないが。
日本では考えられない「フライドチキンをおかずにご飯を食べる」という行為が
フィリピンでは当たり前のようだ。
私も始めは驚いたが、なかなか慣れてくると癖になる。
むしろコレを食べたいが為にジョリビーに出向くようにすらなる(笑)
※ちなみにマクドナルドにもケンタッキーにもチキン&ライスのメニューがある。
そこそこ満足した私は、またフラフラと町を練り歩く。
Tシャツに短パン、ショルダーバッグに便所スリッパという
初フィリピン1日目の恰好にしては完全に舐めているとしか思われないが
これは私の作戦でもある。
キャリーケースを持ってキョロキョロ、オドオドしながら歩いている日本人なんて
格好の的である。
心の中ではワクワクドキドキしつつも、「慣れている感」をなるべく出して歩くことがお勧めだ。
マニラから少し歩きエドサという土地に着いた。
所狭しと洋服、シューズ、時計、スマホなど、ドン・キホーテも真っ青の安さと品ぞろえで露店が並ぶ。
Gショックが売っていたので尋ねてみる。
日本のクズ
「How much??(いくらだ?)」
フィリピンのクズ
「150 pesos! non imitation!(300円だ!偽物じゃないぞ!)」
300円でホンモノなんてありえないのだが、基本嘘つきの国なので
何ら驚くことでもない。
他にもナイキのImitation(偽物)が800円前後で売ってたり
ブランド(偽)のTシャツも150円程度で売っている。
私の思っていた通り、手ぶらで来ても何とかなる国だった(笑)
さて、夕暮れに差し掛かってきたので、本日泊まる宿探しでもするか。
※普通の人は予約して来るものですが私はイカレてるので行き当たりばったりです
「シャチョー!!ワタシ、オンナ、ショウカイスル!」
いきなり道端で声をかけてきた
通称、紹介屋のジミー
しばらくの間、共に旅する仲間になるとは、この時は思ってもみなかった。